ここ数年の間、日本ではひそかに「スタグフレーション」が進行しています。
スタグフレーションというのは、「景気が後退しているのにインフレ(物価上昇)が起こる現象」のことです。
一般的にインフレ、インフレーションといえば、物価もあがるけど給与もあがるので消費者としては特に意識することはありません。(海外ブランドは高くなっちゃうけど)
しかしスタグフレーションの場合は、給与そのままで商品の値段だけあがるので実質的に給与が下がったようなものです。
さらにそこに消費税増税の追い打ちがかかるため、より一層生活は苦しくなることに…。
「そうは言っても、物価ってあがってるっけ?」と思われた方のために、なにが値上がりしているのかさくっとまとめてみました。
これをみると「日本の景気、ホントに良くなってる?」と思うはず…。
ぼくが「日本株に長期投資しない理由」の一つがここにあります。
簡単な目次
なぜ給与が上がっても日本は貧困化するのか
なんだかんだ理由をつけて値上がりすると、値下がりすることはない
値上がりの理由としてよくあるのは「原材料価格の高騰」「人件費の向上」です。
最近ではロッテの雪見だいふくが130円から140円になり、爽(アイス)も同じく130円から140円になります。
ほかにも、グリコの商品は10円から50円ほど値上がりし、日本水産のすり身製品は5%から10%ほどの値上がりに。
おでんで有名な紀文も最大15%ほど価格が上がります。
牛乳やヨーグルトも店頭価格が10円ほどの値上がりとなってるので、普段よく買うものがだいたいすべて10円ずつ値上がりしてるような感じです。
10円って聞くと大したことなさそうな感じがしますが、1日10個の商品を買ったら100円の差になります。
それが1ヶ月だと3,100円なので、結構違ってきますよね…。
さらに値段では気づけない「シュリンクフレーション」という方法も幅広くおこなわれています。
実質的な値上げなのに、消費者は気づけないシュリンクフレーションとは
シュリンクフレーションを一言でいうと、「お値段はそのままで容量ダウン」です。
たとえば今回値上げする雪見だいふくの量を見てみましょう。
2007年 | 50ml×2個 | 89円 |
2011年 | 47ml×2個 | 130円 |
2019年 | 47ml×2個 | 140円 |
実は容量はすでに2011年の時点で少なくなっていました。
というか、2011年時点でめちゃめちゃ価格上がってますね…。
このシュリンクフレーションが顕著なのがカルビーのポテトチップスで、ものすごい勢いで内容量が減ってきています。
1975年 | 90g |
1975年 | 70g |
2007年 | 65g |
2009年 | 60g |
値段は変わりませんが、容量は30gも減ってるんですね…。
昔に比べて、袋を開けたときになんか少ないなと思ったらそれは正しい感覚です。
シュリンクフレーションはお菓子類によくある手法で、かなりの数のお菓子で行われています。
外食産業でも増えるシュリンクフレーションと値上げ
築地銀だこは、もともと10個500円でした。
それが2008年には8個500円になり、2012年は6個450円、そして2018年、6個500円になっています。
2017年にいっせいに行われた値上げの一例はこんな感じ。
- いきなりステーキでは、ランチメニューのワイルドハンバーグが1000円から1100円
- カレーのココイチは、ポークカレーが463円から484円
- ガスト、バーミヤンは客単価15円アップ
- すき家は、牛丼が10円アップ。(特盛は50円アップ)
- てんやも天丼が10円アップ。ビールは30円アップ
- 鳥貴族は18円アップ
- リンガーハットは10~30円アップ
- 日高屋は10円~50円アップ
ほかにも多数の企業が値上げをしています。
公共料金の値上げも厳しいところ
電気料金も大手各社すべてが2019年2月に値上げします。
水道料金も全国的に値上がりしていますが、自治体によってものすごく差が生じています。
例えば兵庫県赤穂市の平均は月額853円ですが、北海道夕張市では月額6,841円です。
基本的に「設備が古い」「人口が少ない」エリアほど水道料金は高くなってしまいます。
ガス料金もやはり値上げが続いており、現時点で6ヶ月連続の値上がりです。
一体いつになったら値上がりがとまるんでしょうね…。
まとめ:実際は気が付かないうちに衰退しはじめている日本
結局のところ、日本はすでにヤバい状態まで来ています。
といっても貧富の2極化も同時に進んでいるので、それがさらに「日本の貧困化」を見えづらくしています。
SNSをみると、誰もが「ちょっといいところに行った自慢」をしてますよね?
よりお金持ちになった人たちは常にバブリーな自慢をSNSで流し(青汁王子は逮捕されちゃったけど…)、好景気なイメージが生まれます。
一般の層も、たまに行くディズニーやちょっといいお店などの「自慢できる場所に行ったこと」のみをSNSで配信します。
その結果、SNSではみんながつねに楽しんでいるかのような錯覚が生まれ、実際の衰退には気が付きづらい状況になってるのです。
そういえばディズニーも値上げが多いですよね。
オープンした1983年は3,900円で、2006年は5,800円、2011年は6,200円、2014年は6,400円で、2016年は7,400円です。
まさに怒涛の値上げですが、それでも人気なのがスゴいところ…。
もしかすると2020年くらいには8,000円を超えてるかも知れません。
そのとき、あなたの給与も上がっているでしょうか?
国の景気を考えるときは、給与の上昇率と商品の値上げや税金の上昇率など、いろんな要因を考えていかないと、見せかけだけの好景気に騙されることになってしまいそうです。
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