30代ともなると、周りは結婚しまくり、親戚ではお葬式の回数が増え…と冠婚葬祭の機会がやたらと増えてきます。
20代のころは、まぁビジネススーツで暗めの色を着てけばいいでしょ、的な感じだったのですが、30代ともなるとそうもいきません。
とくに自分が独身で、親族の結婚式に行くときは「あら、あの人まだ独身なんでしょ?しかもヨレヨレのスーツ着てるわ…いやぁね~」なんて言われないようにしないといけないのです。
独り身はツラいぜ…。
とりあえず身なりをバッチリし、つつがなく結婚式、お葬式をすませる…そんなスマートな30代になりたい!ということで、スーツと靴を選びに選んで買ってきました。
いろんなスーツ屋さんで聞いてわかったことは、
- 結婚式とお葬式、どちらもブラックスーツでいい。
- フォーマルなブラックスーツと、ビジネスのブラックは比べると結構違う。
- フォーマルと言っても、店員さんによって常識がちょっと違う。
- エリの形や大きさ、背広の後ろ部分、袖口などフォーマルならではのセオリーがある。
ということ。
フォーマルなスーツは思った以上にセオリーが決まっており、しかも店員さんによってはそのセオリーを知らない場合もあります。
(知らない場合でも自信を持ってススメてくるので、間違えちゃう可能性もあります)
今回、いろんなお店のいろんな店員さんに聞いて、「これがどうやら正しいぞ!」というのを紹介していきます。
ネットで調べても書いてることが違ったりしたので、いろんな人に聞いたほうが正しいものがわかるかなと…。
がんばってコミュ障ながらもいろんな方に聞いた結果なので、参考にしてもらえたら喜びますw
絶対に間違わない冠婚葬祭のスーツのシアワセな選び方
現代では、結婚式もお葬式もルールがゆるくなってきている?
スーツ屋さんによっては、「今はフォーマルなブラックスーツを買わなくても、ビジネスのブラックスーツでぜんぜん大丈夫ですよ!」という意見もあります。
でも、フォーマルなブラックとビジネスのブラックは比べてみると結構色が違ってくるので注意してください。
フォーマルなブラックはめちゃくちゃ黒!って感じで、ビジネスのブラックはそれに比べると黒っぽさが薄くなっています。
そしてビジネスのブラックスーツは、ものによってはツヤが結構強めなものがあります。
結婚式などで着る分にはツヤがあってもいいですが、お葬式ではあまりよくありません。
冠婚葬祭、結婚式やお葬式のどちらも着れる無難なスーツは、やはりフォーマルなブラックスーツになります。
お店で頼むときは、「フォーマルなブラックスーツが欲しい」と伝えましょう。
お店はいろいろ選んだ結果、テーラーフィールズに決定
スーツ屋さんを都内10件ほど回って最終的に選んだのは、テーラーフィールズというお店になります。
ここは銀座や渋谷、新橋、横浜、愛知、大阪、広島、鹿児島などに店舗があります。
ちなみにこちらは有名な麻布テーラーと同じ会社のショップになります。
工場も麻布テーラーと同じですが、年齢層でブランドを分けているそうです。
おじさんには麻布テーラー、若い人にはテーラーフィールズ…みたいな感じ。
ネットではテーラーフィールズは中国産の生地を使っていると書かれていましたが、ぼくが今回作ったのは日本製だったので、とくに中国産限定!ってわけではないみたい…。
ブラックスーツの生地もいろいろある
ブラックスーツと一言で言っても、生地のランクはいろいろあります。
やすいものだと4万円台から作れますが、生地の質感はそれなりに…。
フォーマルなブラックスーツは、黒をしっかりと出すために、普通のスーツよりも入念に黒染めをします。
そして黒をしっかりと生地に染み込ませるために、表面がザラザラだったりするんですね。
しかも糸も太いから生地が重たい!
普通のビジネススーツの1.5倍くらい重たい生地もあるので注意してください。
スーツ生地は、夏服でいい感じの生地は1mあたり230gとかになります。
このブラックスーツの生地は、なんと480g/m。
めちゃくちゃ重いwww
冬にしか着ないのであればいいかもしれませんが、冠婚葬祭は季節がいつになるかわからないですよね。
ちなみにこのフォーマルスーツの場合、値段が上がるほどに、手触りもさらさら、重さも軽くなるというイメージです。
4万円台から8万円台まであるんですけど、ぼくは無難に6万円台のにしました。
適度にいい手触りで、適度に軽く、適度な価格…!w
割と長々と選んでたので、お茶も出してもらいました。
(ちなみにダンヒルで作ったときは、バーテンが常駐しててカクテルを作ってもらえました。でも、スーツのお値段は数十万円…)
スーツを作るときって、店員さんとすごく話をして決めるので、イヤな店員さんだったらそく別なお店に変えたほうがいいです。
でも、今回行ったスーツ屋さんはみんな接客が素晴らしかったな…。
ちなみにスーツを作るときは、こんな感じでカウンターに座ってじっくりと決めます。
採寸の時間も併せたらなんだかんだで2時間くらいかかったので、買いに行くときは時間に余裕をもって行きましょう。
スーツはツルシはダメ!パターンオーダー(イージーオーダー)がオススメ
スーツを買うときは、ツルシ、パターンオーダー、フルオーダーから選ぶことになります。
ツルシ・・・体型別にすでにできあがっているスーツ。自分の体型に近いものを選ぶ。安いけど、身体にはフィットしづらい。(納期はなし。そのまま持ち帰れる)
パターンオーダー(イージーオーダー)・・・決められた型紙が何種類かあり、自分の体型に近いものを選ぶ。さらに、そこから自分の体型に合わせてスーツを調整する。(納期は1ヶ月くらい)
フルオーダー・・・自分の身体のあらゆる寸法を測って、型紙からオリジナルで作成。一回作ったことがあるけど、結構手間がかかる(納期は2ヶ月くらい)
正直なところ、ツルシで買うと運が良ければ自分の体型にピッタリ!ってなりますが、そうそううまくはいきません。
フルオーダーだとお金もかかるし時間もかかるし…でこれもまためんどくさい。
パターンオーダー(イージーオーダー)だと、自分にピッタリのスーツができて、なおかつ価格もリーズナブル!
テーラーフィールズもパターンオーダーを採用しています。
まずは、シャツに着替えて採寸!
ぼくはTシャツにパンツといっためちゃくちゃリラックスした格好でいったんですが、それでもまったく問題ありませんでした。
ぼくに合いそうなシャツとパンツを貸してくれたので、それにまずは着替えます。
そして、身体の各種寸法を測り、自分に合いそうな型のスーツを着ます。
この状態では、まだ全体的にダボッとした感じですね。
ここからスーツのいろんな個所を僕の身体にあった形にしていきます。
そしてここで計測したものを元に、実際にスーツが作られるというわけ。
完成のイメージがしやすくて、仕上がった後に「なんじゃこりゃ…!」ってなる可能性が少なくなります。
スーツ全体が決まったら、細部を詰めます
スーツは生地と採寸で終わり…ではありません。
さらにもっと細かく指定していきます。
めちゃくちゃいろいろ項目がありますが、店員さんに聞きながら決めれば大丈夫…なはずなので安心してください。
テーラーフィールズでは26000円から作れて、ぼくが今回作ったのはプレシャスハイエンドといわれる一番上のクラスになります。
スーツの仕様:ベント
まずはベントといわれる、背広の後ろ側についてる切れ込みを決めます。
サイドベント、センターベント、ノーベントとあって、それぞれに由来があります。
サイドベント・・・左右の2個所に切れ込みが入っているタイプ。元々は軍服で、ピストルなどが出しやすいように作られた説がある。(ビジネススーツで多い)
センターベント・・・センターの1個所に切れ込みが入っているタイプ。乗馬するときに邪魔にならないように作られた説がある。(ビジネススーツで多い。最近はこっちが多いかも)
ノーベント・・・切れ込みナシのタイプ。タキシードなどフォーマルなスーツはコレ。ぼくも今回はこれにしました。
スーツの仕様:裏地
そして次は、背広の裏使用。
背抜き・・・背中の裏地がなく、若干涼しめ。ただし、スーツ生地に直接シャツが触れるため、生地にダメージが受けやすい。
クール・・・背抜きのさらに軽量化版。
総裏・・・裏地が全部あるタイプ。
これは好みではありますが、ぼくは総裏にしました。
スーツの仕様:袖口
袖のボタンは、3つと4つで選べます。
さらにボタン同士を重ねるかどうかも決めることができます。
海外の場合、フォーマルなスーツは4つボタンが主流なのですが、日本では3つボタンになります。
なぜかというと…4は死を連想させるから。
なるほど…たしかに縁起を担ぐ人には気になるかも。
というわけで、3つボタンの重ねなしを選びます。
スーツの仕様:ステッチ
背広のエリの部分に、ステッチと言って糸の縫い目をどう見せるかを決めます。
フォーマルな場合はいらないので、ノーステッチにします。
スーツの仕様:タック
次はパンツの部分になっていきます。
タックというのはパンツの前側にあるヒダのことです。
ベストを着る人は、1本タックか2本タックがいいみたいですが、そうでない人は0本タックがオススメとのこと。
今回、ベストは特に着ないので0本タックにします。
スーツの仕様:ビスポケット
お尻のポケットにボタンをつけるかどうかを決めます。
これは好みで決めていい部分なので、フォーマルでもビジネスでも好きなように選んで下さい。
スーツの仕様:脇ポケット
パンツの横についているポケットの向きも決めれます。
通常は手が出し入れしやすいように斜めについていますが、フォーマルでは垂直につくのが一般的です。
今回はフォーマルなので、垂直ポケットにしました。
とはいえ、ここはあんまり見られるポイントでもないので、斜めでも問題はありません。
スーツの仕様:裾口
パンツの裾をシングルにするかダブルにするかです。
フォーマルは完全にシングルなので、シングルを選びましょう。
スーツの仕様:ボタン
スーツは、シングルのボタン1つ、シングルの2つ、ダブル…といろいろ選べます。
ここはどうやら地方によっても好みが分かれるそう…。
九州の一部では、ダブルのほうがよかったりもするそうですが、基本はシングルの2つボタンになります。
スーツの仕様:ショルダーライン
肩の感じもクラシックなかっちりとした感じか、ナチュラルな感じか選べます。
いや~選ぶとこめちゃくちゃありますね…。
ボタンももちろん、いろんなものから選ぶことができます。
大抵の場合は、スーツの色にあわせたボタンを選ぶのが無難。
今回は黒いボタンにしました。
さらに、裏地も選びます。
フォーマルスーツの場合は真っ黒にするのが普通なので、特に悩む必要はありません。
最後に、追加オプションを決めていきます。
パンツの滑り止めだとか、脇汗防止とか…ここらへんはお好みで決めちゃって大丈夫です。
いやーなんだかんだ、パターンオーダーでもいろいろ自分好みにカスタムできちゃうんですね…。
フォーマルスーツの場合は今回選んだセレクトで間違いないですが、ビジネスの場合はもっと自由に決めて楽しむのもアリです。
なんだかんだでオプションつけて、お会計は71,280円!
高い…気もするけど、でもこれで他の人よりも差をつけることができました。
一番安いプランだったら4万円台なので、「冠婚葬祭だし、そんなにいいの買わなくていいや」という方はそれもアリだと思います。
今回、いろいろスーツの知識を教えてもらって思ったことは、自分好みのスーツを作るシアワセってのもアリだと思いました。
次はビジネススーツを作りに来よう…。
冠婚葬祭のときにハズさない靴の選び方
せっかくスーツをバシッと決めたのに、靴が茶色の革靴だったりしたら目も当てられません。
ここは一つ、フォーマルにあった靴を買うことにします。(なるべく安く…w)
ぼくが行ったのは銀座にある42ND ROYAL HIGHLAND(フォーティセカンドロイヤルハイランド)というお店。
こちらは、メーカーが直接経営しているので、ほかのブランドに較べて同じ価格帯で高品質なものが手に入ります。
店員さんの接客クオリティも高く、知識も豊富でなかなかいい感じ…。
靴のサイズを言わなくても、一回でバシッと決まるサイズを持ってきてくれました。
フォーマルな靴を選ぶときのポイント
絶対安心なストレートチップ
靴のつま先に横に線が入ったものをストレートチップと言います。
この部分ですね。
これがあると、バッチリフォーマルだぜ!ってことになります。
外羽式より内羽式
革靴のヒモを通す部分にも注目してください。
ヒモを通す部分が、靴と一体になっているものを内羽式と言います。
逆に独立してるものを外羽式と言って、フォーマルなのは内羽式です。
このような形になっていれば問題ありません。
靴の先はぴっかぴかにしない
ビジネス用の革靴だと、ワックスで靴の先をぴっかぴかに磨くことがありますが、結婚式やお葬式ではそれはしないほうが無難です。
写真のように、適度なツヤ感でOK。
というわけで、ぼくが選んだ靴は28,000円のこちらです!
まさに無難!かつそこそこ高品質!
こちらのお店で買ったら、シューキーパーとシューズバックがもらえました。
これがシューズバックで、
これがシューキーパー。
使わないときは、革靴にこれを入れておけば、シワが変になるのを防いでくれます。
便利~。
というわけで、結局、スーツと革靴で10万円くらいかかっちゃいました。
まぁ、社会人としてこれくらいの出費は仕方ないところかもしれません…。
とりあえず1着あれば、急な冠婚葬祭にも対応できるので、余裕があるときに作ってみるのも良いと思います!