リップル(XRP)は実は証券なのではないか?という議論が続いています。
ちなみに、ビットコインやイーサリアムは”証券ではない”とSEC(米国証券取引等委員会)に判断されました。
証券というのは、「株券」や「債権」などのことで、仮想通貨よりも厳密な法規制があります。
ぼくの結論としては、「中・長期的にみれば、リップル(XRP)が証券になってもならなくても、どっちでも問題はない」と思っています。
それぞれにメリット・デメリットがあるので見ていきましょう!
簡単な目次
リップル(XRP)が証券化されても困らない明確な理由
そもそも「XRPって証券でしょ?」と言い始めたのは、ゲーリーゲンスラー氏です。
2018年4月22日に、元ゴールドマンサックスのパートナーで米国政府の元金融規制担当者であるゲーリーゲンスラーがニューヨーク・タイムズ紙で発表しました。
「イーサリアム(ETH)とリップル(XRP)はどちらも有価証券じゃない?」という発言をしていますが、その後の展開があります。
イーサリアム(ETH)は証券ではないという判定がSECによってくだされました。
リップル(XRP)は、まだSECから明確な判断はされていません。
ぼくとしては証券化したところで、特に問題はないと思っているため、どっちでもいいかなーという感じなんですけどね…w
リップル社としては、XRPは証券でないという主張
リップル社のトム・チャンニック広報担当は、ニューヨーク・タイムズ紙にこう語っています。
「XRPの所有者には、リップル社の利害や権利を提供していないし、配当金も支払っていない。XRPはリップル社とは別に存在するもので、会社の設立以前からある」
つまりもしXRPが株式のような証券だとすれば、リップル社の業績によって価格が上下しますし、配当金もあるはずだけど、それが無いからXRPは証券じゃないよ!ということですね。
ここで誤解のないように整理をしておくと、
リップル・・・会社の名前、もしくはリップル社が開発している、XRPを使った送金システムを含めた意味。
XRP・・・仮想通貨(トークン)の名称。ライアン・フッガーという方が生みの親。
という区別がされています。
詳しくはこちらの記事に書きました。
ちなみにXRPのもととなる論文は2004年に発表されており、ビットコインの生みの親、ナカモトサトシの論文より4年も早く生まれています。
じつはXRPは仮想通貨の中ではトップクラスの歴史をもっています。
中央集権だとXRPは証券なのか?
ゲーリーゲンスラー氏が言うには、「XRPはリップルが支配している(中央集権)なんだから証券でしょ!」となります。
しかし、実際のところはXRPはリップルが支配しているわけではありません。
XRPを動かし続けるのに必要な”運営ノード”は過半数がリップル社以外となった
たしかに昔は、XRPを成り立たせている運営ノードの大半はリップル社でした。
しかし今はリップル以外のノードが多くなり、非中央集権が進んでいます。
送金の承認作業をするValidator(バリデーター)も、リップル社以外が多くなってきた
XRPの送金システムを超簡略化して書くと、
XRPの流れ:送金したい人が送る→(この間にValidator(承認者)が承認する)→送金される人に届く(この間、約3秒)
という感じになります。
このValidator(承認者)も昔はリップル社が多かったのですが、今では「NTTコミュニケーションズ」「セコム」「UCバークレー校」「コシニア大学」「MIT」「マイクロソフト」など様々な機関がValidatorとなっています。
ちなみにValidatorサーバーの運用費は、Eメールサーバーと同じくらいと言われています。
つまり、ほとんど負担が必要ないということ。
さらにこのValidator、ビットコインのマイナーと違って、特にメリットはありません。
※ビットコインのマイナーとは・・・ビットコインは承認作業をマイニングと表現します。マイニングをやる人には報酬としてビットコインがもらえる仕組みです。
ビットコインの場合は、マイナーがものすごく影響力を持ち、電気代が安いマイニングがしやすい国が非常に有利になります。
そのためビットコインの価格を左右できるほどの影響を持つマイナーは、ほとんど中国にしかいません。
ビットコインのほうが、実は中央集権的な側面を持ってしまっているのが現状です。
XRPの場合は、さらに将来的にValidatorにいろんな企業、機関が参加することでより非中央集権になっていきます。
もしXRPが証券に認定されたらどうなる?
シンプルに考えると、「XRPが買える場所が変わるだけ」です。
もう少し詳しく言うと、
- XRPは仮想通貨取引所で売買できなくなる
- XRPは証券取引所で株式と同じように売買される
- 証券化されたことにより、法律で守られるようになる
- XRPとほかの仮想通貨の取引ができなくなる可能性がある
- 仮想通貨取引所よりもマネーロンダリングに使われづらくなるので、通貨の信頼度が上がる
という感じ。
XRPが証券に認定された場合のメリット
メリットをあげていくとこんな感じになります。
- 証券化されることで、今まで買わなかった層の人たちが興味を持つ(株式メインでやってる人とか)
- ほかの仮想通貨との関連性が非常に薄くなるため、ビットコインが暴落したときに影響を受けづらくなる
- 証券の場合、どこの国でも法律がしっかり決まっているため仮想通貨よりも機関投資家が参入しやすい
現状は、ビットコインキャッシュの分裂戦争からのビットコインが売られ、ついでにほかの仮想通貨全体が暴落しています。
XRPがもし証券化したとすると、そういった諍いから完全に分離されることになります。
仮想通貨取引所で取り扱ってる通貨(トークン)とはまったく別モノ、という扱いになってくるはずです。
XRPが証券に認定された場合のデメリット
逆にデメリットも短期的には結構あると思っていて、こんな感じになります。
- 仮想通貨取引所で取引できない!とパニックになった人がXRPを売りまくって価格が大暴落
- XRPとほかのアルトコインやビットコインと売買できなくなると、それに嫌気して価格が暴落
証券化は、価格が大暴落する要因となりえます。
まとめると、
- 中・長期でみればメリットが多い
- 短期でみるとパニック売りからの暴落の可能性がある
ってことですね。
XRPが証券化される確率はどれくらい?
今の流れだと、40%くらいかなーと思います。
いますぐ急いでSECが「XRPは証券だ!」っていう必要性がまずないんですよね…。
それよりも消費者保護の観点から言うと、詐欺みたいなICO案件を取り締まるほうが先決になります。
とはいえ、ゆくゆくはXRPが証券になる可能性もあるとは思います(リップル社にとってもメリットはあるし)
とりあえず今はあんまり心配しなくていいんじゃないかな、というのが僕の見解です。
まとめ:リップル(XRP)が証券化されてもされなくてもいいじゃない!
結局のところ、証券になろうとなるまいと、リップル社がやろうとしている「XRPを使った国際送金の最適化」はできると思っています。
あとはもっと大局的にみた「価値のインターネット」という視点から証券化したほうがいいのかどうかになってきます。
価値のインターネットとは
リップル社が昔から提唱している概念。
英語でいうと、Internet of Value(そのまんま)。
ぼくらは今、「情報のインターネット」を日常的に使っています。(ネットでニュース見たり、Twitterしたりとか)
情報は誰もが送りあえるのに、”価値(お金)”は送りあえません。
つまり、今のインターネットには送金機能がないのです。
ネットで何かを買うときは、クレジットカードなどを利用して間接的に買いますよね?
それをリップル社は、みんなが手軽に送金しあえるシステムを作ろうとしています。
これは従来の送金システムに比べてなにがいいかというと「早い」「安い(手数料が)」「確実」という3つのメリットがあります。
まぁ、今現在は手数料が安いかというとそうでもないんですけど、将来的には安くなる見込みです。
今のインターネットにない”送金機能”を実現させようとしているのがリップル社であり、価値のインターネットと呼ばれるものになります。
この壮大な計画をするにあたって、XRPは証券のほうが良いのかトークン(仮想通貨)のままが良いのか…。
法律や国家の利益が絡んでくるのでどうなるかわかりませんが、リップル社はロビー活動(政治的にうまいこと物事を勧める活動)にも長けているので、その点は安心できるかなと思っています。
「価値のインターネット」という視点で見ると、リップル社もXRPもまだまだ始まったばかりです。
昔、インターネットが始まったときは、現在みたいに動画をリアルタイムで見れたり、映画の定額制が始まって見放題になったりとは考えもしませんでした。
それと同じで、価値のインターネットもこれからどうなるかわかりません。
そのため、XRPがいくらになるのかは予想不可能なのです。
投資としてはかなりギャンブルな気もしますが、その分、未来が楽しみでもあります。
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