VIXは恐怖指数ともよばれ、数値が高いほど投資家が「先行き不安やで…」と思っているとされています。
ということは、この指標を参考にしてETFを買ったり売ったりすれば儲かるんじゃ…!?と考えますよね。
実際にそんなことが可能なのか、VIX恐怖指数とS&P500の比較をしてみました。
論より証拠、まずはこれを見てください。
ででーん。
ヤフーファイナンスからひっぱって来たチャートです。
青い線がVIX、水色の線がS&P500(アメリカ市場の代表的な指数)です。
VIXは、10~20の範囲が正常、40を超えると「不安だから売っちゃおう!」みたいに投資家が感じていると言われています。
青い線がギザギザしながらも大体横ばいなときが10~20の範囲で、上にドカーンと突き抜けているときは40オーバーしています。
グラフ的には逆相関してる…とは言えませんが、VIXが安定しているときはS&P500が上がり、VIXが上昇するとS&P500は下がると言えそうです。
これをふまえた上で、VIX指数に連動したETFはなぜ長期投資に向かないのか?を書いていきたいと思います。
簡単な目次
VIX(恐怖)指数に連動したETFや投資信託は長期投資に向かない理由
VIXとS&P500は完全な逆相関にはなっていない
先ほどの比較チャートを見てみると、相関してたり逆相関してたりと、割と頼りない感じが見えてきます。
赤枠の部分だけ見てみると逆相関になっていますよね。
完璧!
でもほかの部分を見てみると…
ここはS&P500が上昇しているのに、VIX恐怖指数も一緒に上昇していますね。
投資家的には、「価格が上がるか不安!でも欲しいから買っちゃう!ギギギ」みたいな心理なんでしょうか。(たぶん違うw)
この赤枠部分だと、逆相関してるっぽく見えます。
うーん、場所によって相関してたり逆相関してたりって感じに見えちゃいますよね。
最近のS&P500の急上昇のときにはVIXは横ばいになっています。
順調に市場価値が上がっているときは、VIXは低く安定しているって感じですね。
そしてチャートを見ているともうひとつ気付くことがありました。
それは…
VIXは先行指標ではなさそう
VIX自体は、S&P500の先行指標ではないということです。
S&P500が下がったときは、VIXが上昇傾向にあって、その逆のときもある…というだけ。
VIXを見てたら上昇したからこれから株価も落ちる!というのではなく、株価が落ちてるからVIXが上昇してるという非常に役に立たない指標とも言えるような…w
さらに言えば、VIXが上昇したからと言って、S&P500がどれくらい落ちるかはまったくわかりません。
ものすごく落ちてるときもあれば、ぜんぜんそうでもないときもあります。
VIX連動のETFや投資信託はリスクヘッジになる?
一応、一般的にはVIXはS&P500と逆相関の動きをすると言われています。(ぼくはそうでもない時もあると思うけど…)
そのため株関連のETFだけを持つよりも、VIX連動のETFを持てばリスクヘッジになるという考え方があります。
なぜかと言うと、もし株価が下落しまくったときにVIX連動ETFが逆の動きをして損を防いでくれる…という発想です。
有名ドコロでいうと、VXXというETFがありますが、日本だとちょっと買いづらいのでオススメしません。
日本で買いやすいVIX連動型は、楽天証券で買えるこちらの商品になります。
- iPath VIX中期先物(銘柄コード:2029)
- iPath VIX短期先物(銘柄コード:2030)
注意すべきは、どちらもVIX指数にそのまま連動しているというわけではないということ。
iPath VIX中期先物(銘柄コード:2029)は、株価急落時の上昇率はそれほど高くはないものの、株価が上昇してきたときの下降率もゆるやかです。
iPath VIX短期先物(銘柄コード:2030)は、株価が急落したときに大きく上昇し、その逆もまた然りという感じ。
実際にチャートを見てみましょう。
iPath VIX中期先物(銘柄コード:2029)とS&P500の比較チャートはこんな感じ。
iPath VIX短期先物(銘柄コード:2030)とS&P500の比較チャートはこんな感じです。
たしかにどちらもS&P500が上昇しているときに、下降していますね。
ということは、S&P500が下降したときに、逆に上昇してくれることが期待できます。
これだけ見るとたしかにリスクヘッジとしてはありなのか…も?
ただ、リスクヘッジとしてアリだとしても、VIX連動型は長期投資には向かないものだという確信もあります。
VIX連動のETFや投資信託は長期投資に弱い理由
VIX連動型は、リスクヘッジとしてはアリかもしれませんが、長期投資にはまったく向いていません。
なぜなら基本的に株価は上がり続けるものだからです。
現にS&P500は、ずっと右肩上がりで来ていますよね。
ということは、VIX連動型の場合、ずっと持ってると長期的に損をするということになります。
VIX連動連動型の正しい使い方はおそらく、「株式市場が全体的に下がりそうな予感…だけど今もってる株を手放したくはないな」というときに短期でリスクヘッジとして活用する…くらいだと思います。
そもそも市場が下落しそうだと思ったらショート(カラ売り)すればいいじゃんって話でもあるんですけど…。
あと個人的には、短期でおろおろしてショートしたりリスクヘッジしたりしても結局、損をすることが多い気がします。
もちろん、トレードが上手い人ならうまくいくと思うんですけど…投資はどっしり長期で構えて、短期の動きは気にしない!というほうが自分には合ってる気がします。
結論:VIX連動のETFは買う必要はほぼなし!買うときは短期で
結果としては、ぼくはVIX連動型の商品は買うことがなさそうです。
存在意義的なものはわかるので、うまく利用できる人はこれでがっつり儲けることも可能だと思います。
ただぼくはそんなに器用ではないので…w
ぼくのポートフォリオはS&P500などアメリカ市場がメインなので、リスクヘッジは欠かせません。
リスクヘッジはいろいろあると思うんですけど、僕はほかの国のETFへも投資してリスクを少なくしています。
アメリカが失速しても、これからグイグイくる国へ投資してたらむしろ損するどころか利益がでるんじゃ…!?という目論見w
ぼくのオススメは、人口ボーナスでイケイケなインド。
インドのETFを買って、アメリカ市場のリスクヘッジをするほうが、VIX連動ETFを買うよりもいいかなーと思っています。
アメリカ市場が上がってるときも、インド市場だって上がりますし、アメリカ市場が失速したときにインドが主導権を握る…かもしれません(可能性は低いかもだけど…w)
参考までに、インドのETF記事も良かったら読んでみてください!
参考:【ETF】これからはインド!インデックス投資でオススメを調べてみた
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S&P500についてはこちらで詳しく書いているのでぜひよんでみてください。
VIX連動型のETFより断然オススメです。
参考:バフェットもおすすめのS&P500インデックス投資をしてみる