新興国ETFは、政治的リスクや市場規模など、アメリカ市場ETFよりもリスクが高めです。
しかしその分、大きなリターンが得られる可能性があるため、一部の人に人気があったりなかったり…w
これから成長しそうな新興国とそうでない新興国をしっかり見極めないと、大きなリターンどころかマイナスになってしまう可能性もあります。
一言で新興国ETFと言ってもいろいろあって、代表的なものだとVWO、EEMがありますが、ぼくのオススメはそのどれでもありません。
※ほかにも【1582】iシェアーズ エマージング株ETF、【1583】iシェアーズ フロンティア株ETFなどがありましたが、上場廃止になりました。
簡単な目次
儲かる新興国ETFと儲からない新興国ETFの差を考えてみた
そもそもの「成長する新興国」の特徴を考えてみる
ETFを選ぶ前に、新興国全体に共通するリスクを考えてみます。
新興国は、経済が世界的に失速するとすぐに資金の引き上げが起こりやすい特徴があります。
ということは、世界的に不況なときに迂闊に新興国ETFを買っちゃうと、大暴落をしてしまう可能性が高いわけです。
そのため基本的には、世界経済がウェイウェイ!って感じでイケイケドンドンな時以外は投資するべきではないと思っています。
次に、これから成長する可能性が高そうな新興国の特徴を整理してみました。
- 人口ボーナスがある(若者が多く、人口が増え続けている)
- 法整備がされている(もしくはされつつある)
- 中間層(中流階級)が増えて内需が多くなっている
- 天然資源が国内にある
- 国内での若者の就職への競争が激しい(優秀な人材が増える)
こういったポイントに当てはまれば当てはまるほど、これからどんどん成長する国だと言えるはずです。
この中で特にぼくが重要視しているのは、「人口ボーナス」です。
日本の高度経済成長時代も人口ボーナスの影響が大きかったと言われていますし、若者が増えればそれだけ内需(国内での消費)も多くなって好景気になります。
さらに若者が多いということは世代内での就職競争も激しくなり、必然的に優秀な人材が多くなるとも言えるはず。
人口ボーナスは、国の経済が成長する土台がバシバシできあがると言えます。
この点を重視して、どの新興国ETFがよりオススメなのかを検証してみました。
※そもそもETFがなんなのか自信がない…という方は、40秒でわかるETFとは?をお読みください!
【VWO】バンガード FTSE・エマージング・マーケッツETF
構成銘柄数 | 約4712銘柄 |
1年トータルリターン(記事時点) | 4.22%(参考値なのでマイナスになる可能性もあります) |
経費 | 0.14% |
※記事を書いたときのデータになります。現在の情報は、バンガードの公式サイトをご覧ください。
一応、リターンが4.22%あるので悪くはない…ですが、ETFの中では良いとも言えません。
今はアメリカがずっとイケイケな状態なので、ものによっては16%のリターン(記事時点)を超えているものもあります。(S&P500とか)
上位の構成国 | 割合 |
中国 | 34.2% |
台湾 | 14.5% |
インド | 10.6% |
ブラジル | 8.3% |
南アフリカ | 7.4% |
タイ | 3.9% |
ロシア | 3.8% |
マレーシア | 3.3% |
メキシコ | 3.2% |
インドネシア | 2.2% |
中国の割合が3割を超えていて非常に多いですね。
これらの国の人口推移を調べてみました。
データ元:世界銀行
中国とインドは人口が増加していますが、ほかの国はさほど増えていません。
うーん…。
中国は今現在もかなりすごい勢いで成長していますが、特殊な国なのでもし失速しはじめたときに外部からはなかなか分かりづらいかもなーと思っています。
中国とインドが今後、順調に成長していったとしても、ほかの国の影響でさほどリターンが高くならない可能性もあります。
ちなみに上位銘柄はこんな感じ。
銘柄 | 割合 |
テンセントホールディングス | 5.14% |
アリババ・グループ | 2.79% |
TSMC | 1.93% |
ナスパーズ | 1.84% |
中国建設銀行 | 1.64% |
中国工商銀行 | 1.19% |
中国平安保険 | 0.93% |
バイドゥ | 0.91% |
中国移動 | 0.86% |
ほとんど中国の企業ですね。
中国はこれからどんどんくる!と予想している人にはうってつけのETFと言えます。
【EEM】iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF
構成銘柄数 | 約973銘柄 |
1年トータルリターン(記事時点) | 4.5%(参考値なのでマイナスになる可能性もあります) |
経費 | 0.69% |
リターンが4.5%ですが経費がちょっと高く、0.69%もします。
上位の構成国 | 割合 |
中国 | 31.89% |
韓国 | 14.2% |
台湾 | 11.56% |
インド | 8.72% |
南アフリカ | 6.58% |
ブラジル | 6.03% |
ロシア | 3.61% |
メキシコ | 3.03% |
マレーシア | 2.33% |
タイ | 2.19% |
こちらもやはり、中国がメインになっています。
そして次に割合が多いのが韓国。
これらの国の人口推移も見てみましょう。
データ元:世界銀行
こちらもやはり、中国とインド以外は人口がそれほど増えていません。
人口もイケイケな中国ですが、2030年付近で減少に転じると言われています。
あと10年もあるので、それまでは経済成長が続くとみるか、もうそろそろてっぺんとみるか…難しいところですね。
上位銘柄も見てみます。
銘柄名 | 割合 |
テンセントホールディングス | 5.21% |
アリババ・グループ | 4.13% |
サムソン | 3.75% |
TSMC | 3.41% |
ナスパーズ | 2.1% |
中国建設銀行 | 1.6% |
バイドゥ | 1.39% |
中国移動 | 1.02% |
中国工商銀行 | 0.93% |
中国平安保険 | 0.88% |
やっぱり中国企業が多いですね…。
韓国のサムソンが入ってきてるのがVWOとの大きな違いですが、ほかは大差なさそう。
韓国も人口はさほど増えていないですし、人口ボーナスによる経済成長は期待できません。
政府の安定度もどうなんだろう…。
難しいところですが、中国と韓国が好きな人ならいいかも…?
まとめ:VWOとEEMの違い
ここでいったん、VWOとEEMの違いをまとめてみましょう。
参考までにアメリカ市場を代表する鉄板のバンガードS&P500ETF【VOO】も入れてみます。
VWO | EEM | VOO | |
構成銘柄数 | 約4712銘柄 | 約973銘柄 | 約500銘柄 |
1年トータルリターン(記事時点) | 4.22% | 4.5% | 16.6% |
経費率(年間費用) | 0.14% | 0.69% | 0.04% |
メインとなる国 | 中国、台湾、インド | 中国、韓国、台湾、インド | アメリカ |
アメリカ市場と比べると、新興国ETFはなかなか厳しいものがあります。
リターンは三分の一くらいですし、経費も高い…。
というか、バンガードのVOOの経費がめちゃくちゃ安いっていうのもありますけどw
うーん、なんでしょう、ここは素直にVOOに投資したほうがいいのでは…?という気持ちが大きいです。
アメリカ市場が失速するときは、おそらく世界的に経済が失速すると思うので、VWOやEEMもその影響を受けて下がる気がします。
ということは、今のところリターンが高くて経費率もめちゃ安なVOOしかないような…w
これで、「新興国ETFはおすすめしません!」で終わってもいいんですが、なにかいいものはあるはず。
いろいろ考えたすえ、「アメリカが失速するときはほかのどの国を選んでも一緒に失速するのは仕方ない…それなら今後アメリカが調子良くても、さらにその上を行く成長率を見せそうな国はどこか?」という点で選んでみることにしました。
その点で言うと…やはりインドしかありません。(たぶん)
インドのS&P CNX Nifty先物【1549】をオススメする理由
VWOやEEMにもインドは含まれていましたが、それならいっそのことインドオンリーなETFのほうがいいと思います。
インドは今後2060年くらいまで人口が増え続けると言われていますし、なにより優秀な人材が多い国です。
アメリカの大企業のCEOはインド人、ということもめずらしくなくなりました。
マイクロソフト、グーグル、マスターカードなど誰もが知る超大企業のCEOがインド人です。
ぼくらは普段、インドと言えばカレーの国というイメージしかありませんが(ぼくだけ?w)実はかなりスゴい国なのです。
インドの未来予想は、
- 2020年には中間層の所得が向上する。(景気が良くなる)
- 2025年には人口が13億人を突破する。(人口ボーナスがスゴい)
- 2050年までに経済大国となり世界第2位に踊りでる(1位はアメリカ)
などが言われています。
これはいまのうちにインドETFを仕込んでおくのもアリかも…というのが僕の結論です。
新興国ETFは、今の所、アメリカETFに比べてメリットがないように思えます。
であるならば、将来、アメリカを抜く可能性がある国(インド)にかけてみるのも悪くないかな…。
というわけで、インドのS&P CNX Nifty先物【1549】についても調べてみたので、よかったらこちらもご覧ください!
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いろんな新興国ETFを調べた結果、ぼくはS&P CNX Nifty先物【1549】を推すことにしました。
S&P CNX Nifty先物【1549】というのは、インド市場一択のある意味侠気あふれるETFです。
VWOやEEM、1582の可能性、そして一押しの1549のなにがいいのかをまるっと書いていきたいと思います!